フレンチヴィンテージは、“アートピース”とも称されるほどの独創性を持つ。
現代の技術では表現し得ない生地や、昨今の眼鏡が効率と引き換えに失ってしまった細部への作り込み。
当時のフレームは、一つひとつが希少で、同じものを入手することは非常に困難である。
ヴィンテージアイウェアの専門店は、日本にそう多くない。“デッドストックのみ”を取り扱う店舗となると、その数はさらに限定される。
「SPEAKEASY」オーナー山村将史と「Fréquence.」オーナー柳原一樹の2人は、フレンチヴィンテージに精通した数少ない専門家として、これまでに多種多様なフレームを発掘し、日本に紹介してきた。
2人はまた、共著で出版も手がけている。フレンチヴィンテージがひときわ存在感を放ち、世界最高の品質を誇っていた1940年代から50年代にかけてのフレームを一冊に纏め上げ、書籍「FrameFrance」として世に送り出した。
フレンチヴィンテージは汲み尽くせることの無い豊かな表情を見せてくれる一方で、同じものが製造できない以上、やがては枯渇してしまう有限の資源である。
フレンチヴィンテージの世界観を現代の技術で再現し、より多くの人へ伝えていくために、guépardは誕生した。
The Meaning of guépard
1920年代、禁酒法時代のアメリカでは、眼鏡のスラングとして「チーター」という言葉が使われていた。盗み見る“チート”という行為が、その由来だと言われている。
「guépard」は、英語の「cheetah」をフランス語に翻訳したもの。ロゴデザインは、チーターが片目でじっと“盗み見”している様子を表している。
この名称とロゴは、昨今のアイウェア業界に対する問題提起でもある。
フレンチヴィンテージを創成期から取り扱い、現在の人気につながる流れを作り上げてきたSPEAKEASYとFréquence.。
いま“ヴィンテージ風”のデザインを流行り物として追いかけているだけのデザイナーに対して、「ヴィンテージ(オリジナル)の上辺だけをチートして(盗み見て)デザインしている」という皮肉も込められている。
Design Concept
guépardにおいて、「JAZZ」は重要なデザインコンセプトのひとつとなっている。禁酒法時代、人々はアルコールの代わりにスタンダードジャズに高揚を求めた。
後に、アドリブ演奏の素材として継承されることになるその旋律のように、guépardはフレンチヴィンテージの高いデザイン性を継承しながらも、
現代の空気感に馴染ませるように繊細なアレンジを施し、フレンチヴィンテージの新たな解釈を提案していく。
Our Collection
guépardは、フレンチヴィンテージの高いデザイン性と本質を理解し、敬意を払い表現したコレクションである。
例えば、フラットレンズの仕様。当時のレンズはマルチコートの技術がまだ存在しなかったため、レンズ表面が反射していた。
その再現を試みるために、guépardは裏面のみマルチコートを施したフラットレンズを特注し、採用している。